フランスMBA&音楽留学体験記
コンサルタント歴9年の父はINSEADのMBA、バイオリン歴2年の娘(4歳)は音楽学校で学ぶべく2007年7月から約1年間フランスに行きます。一緒に渡仏する母と1歳の息子の4人でのフランス留学体験を書いていきます。


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フランス語試験合格
先日受けたフランス語の試験でBasicレベルのフランス語力があると判定され、INSEADの語学に関する卒業要件をクリアすることができました。日本での3ヶ月間+フランスでの2ヶ月で合計約900時間フランス語に触れた結果でもあり、僕の下手なフランス語に付き合ってくれた語学学校の先生やクラスメートのおかげだと思います。自分の実感としてはまだまだだではありますが“だいぶ上達した”と言われることもあるのでちょっとは使えるとも思います。

この期間にフランス語力がついてくるのと並行してフランス人に対する理解や感情も変化していきました。最初はこちらもフランス語が出来ないので、英語で話しかけるとフランス人は英語で話してくれない人もいるのでコミュニケーションが成立しません。電話でも“Do you speak English?”と聞くと“Non”と言われて電話が切られることもありました。また銀行などで英語が出来る人と話をしてもこちらが期待するように動いてくれることはほとんどありませんでした。これはこちらの期待値を相手に正確に伝えることができておらず、また相手がやろうとしていることを正確に理解することができていないなかで、合意したと思いこむ形でコミュニケーションを進めたことが問題だったかと思います。

こういったことが続いていたのでフラストレーションが溜まりフランス人のことを嫌いになりかけていましたが、そんな中でお店であいさつしたらニコッと笑い返してくれたり、パン屋さんやレストランで注文が通じたとかそんなところから徐々にフランス人に対する感情も前向きになっていきました。そこで語学学校に通い始めてフランス語を学ぶとともにフランスの文化やフランス人の考え方などをちょっとずつ分ってくると、どこに楽しいことがあるかやトラブルの回避法・対処法も分かるようになってきて生活環境やフランス人に対する感情が劇的に改善されて行きました。海外に挑戦する際に現地の言葉を学ぶことが大事と言われるのもよく分かります。普段の生活でフラストレーションを溜めずにいられるので、MBAの勉強にもより集中できると思います。到着した時よりもよりフランス生活を楽しめるようになったのがちょっと早めに渡仏した成果かなと思います。
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Opening Ceremony(入学式)
いよいよINSEADのMBAコースもスタートです。きょうは学校で事務手続きなどをして、夕方からOpening Ceremony(入学式)に行ってきました。Dean(学長)や81年に卒業してビジネスでも成功したアルムナイのスピーチの中でここに至るまでのMBA受験などで大変だっただろうとコメントされると、これまでの苦労を思い出しながらここにたどり着けたことの喜びが沸いてきました。またスピーチの中で使われていた”Trans-cultural leader”や”Ability to interact people from different culture with different mindset”といった表現は僕がこれからINSEADでやろうとしていることを表していると思いました。1年はあっという間に過ぎていくから様々なチャンスにチャレンジしていって、”One of the best year in your life”にしようと言われて、まさにその通りだと思いました。

その後はカクテルパーティで同級生と話をしてきました。約300人の同級生が集まるので人が多すぎて誰と何の話をしたのかも覚えていないぐらいですが出来るだけ多くの人と話をしてきました。そのうちの何人かとはお互いの国や自分たちのこれまでの仕事のことを話していたところからすごく話が盛り上がり、僕がちょっと考えていたビジネスのアイディアを話したらさらに盛り上がり別の機会にじっくり話すことになりました。これからこういう話が毎日出来るのかと思うとINSEADはすごいところだとあらためて思いました。

語学学校終了
フォンテーヌブローの語学学校の最終日にはオーラルのテストということで生徒がそれぞれ5-10分のプレゼンテーションとQ&Aをやりました。テーマは自由に選んでよく、フランス語でコミュニケーションをとることが大事だということでした。他のクラスメートは教育制度や政治などのまじめな話題をとりあげていたのですが、僕は一転して軽い話でフランスに来てからうちの家族がそれぞれにやった楽しかったことを写真を見せながら話しました。僕はワイナリーをまわったこと、妻は料理のこと、娘はバイオリンと音楽、息子は乗馬をやったことを話して、自分たちが家族で来て約一ヶ月半でフランスの生活をとても楽しんでいることを伝えられればなと思ってこのテーマを選びました。この学校のディレクターに頼まれてうちの娘がお昼休みにミニコンサートをやってくれたこともあって、みんなにもなるほどと思いながら聞いてもらえたようでした。来週の月曜日に筆記の試験を受けて合格すればINSEADの語学要件はクリアです。

ここの語学学校では生徒がみんなINSEADの学生同士ということもあっていろいろな話ができました。授業の中でも各国の文化や習慣の違いなどはよくとりあげられ、先日は各国民のステレオタイプについて話しました。先生と生徒をあわせると5カ国の人がいたのでそれぞれの国民のイメージとして以下のようなものがあげられました。

フランス人:ベレー帽をかぶっている、バゲットとワインを持っている、労働時間が短い(休みが多い)、グルメ
イギリス人:傘を持っている、天気の話をよくする、ジェントルマン、パブでビールを飲んでいる
日本人:よく働く、時間を守る、礼儀正しい、写真が好き
ペルー人:陽気で歌が好き、組織だっていない、小さいけど強い
イスラエル人:??

フランス人、イギリス人、日本人までは盛り上がったのですが、ペルー人となるとみんな分からなくなって会話の量が減ります。僕はちょっと前にサッカーの日本代表がペルー代表と試合をしたときにペルー人は小さいけど強いなと思ったので発言しましたが、それ以外は分からなくなりました。そもそもペルー人とチリ人とコロンビア人の違いと言われてもペルー人のクラスメート以外はよく分からず、途中から南米の人のステレオタイプの話になってしまいました。

さらに困ったのはイスラエル人のステレオタイプで、みんなそれぞれにイメージはあるもののそれを言ってよいものか分からず気まずい感じで沈黙が続きました。そこでイスラエル人のクラスメートは“コンプレックスを持っている”と言っていました。クラスメートのイスラエル人は背が高かったので、僕が試しに“背が高い”と言ってみるとフランス人の先生からも“フランス人はそう思っていない”と言われたのでいろいろ思うところはあるようです。

授業後にイギリス人のクラスメートと歩きながら“今日の話って面白いけど難しいよね。ペルーのことは知らないし、イスラエルについて相手の気分を害さずに話すのは難しい。”と話しました。僕も外国人と話をするときに日本のことを相手が知ってくれているとうれしいのだから相手の国のこともよく知っていて話をしたいと思うのですが、まだまだ世界について知らないことがたくさんあります。その後にペルー人のクラスメート夫妻からフジモリ元大統領の話を聞きましたが、あまりにも自分が何も知らないしマフィアも含めたペルーの実情を聞くと何と言えばよいのか分かりませんでした。もっともっと世界のことを知りたいなと思いました。

語学学校最終日に向けて
5日間行われるフォンテーヌブローの語学学校も今日で4日目が終わりました。今日は語学学校が終わってからパリに行くはずだったのですが行けませんでした。雨の中急いで駅まで行って電車を待っていると定刻を過ぎても電車が来ません。しばらくするとアナウンスがあり、”2時間電車が遅れる”と言ったように聞こえました。何かの聞き間違いかと思って近くにいたフランス人に確認してみるとどうやら聞き間違いではなく、人身事故で2時間は電車が来ないそうです。(実際のところは3時間後にも電車はまだ来ていませんでした。)

この時間だと渋滞するので車だと2-3時間かかるでしょうから他にパリまで行く手段もないので仕方なく電話して予定を変更してもらい、これは家にこもって一人で勉強しろという意味かと思って帰ってきました。明日は語学学校の授業の最終日で、午後には5分間のプレゼンテーションをします。これがINSEADの卒業要件のフランス語のテストの一部になるので、がんばります。

ところでこの学校の授業はとても楽しいです。毎日それぞれのクラスメートが自分の国、仕事、趣味のことなどを話すのですが、内容がしっかりしているしプレゼンテーションも上手なので聞いていて飽きません。フランス語なのでお互いに深い話まで踏み込めないのですが、これは授業後に英語でいろいろ聞いています。僕はブルゴーニュとシャンパーニュに行って見てきたフランス人のワインの楽しみ方のような軽い話と日本の歴史についてのプレゼンテーションをしました。前日に辞書を何度も使ってフランス語で準備していたので何とかなりました。

パーティ開始 !!
今週は僕は語学学校、他の同級生の何人かはBusiness Foundationという授業開始前のコースが1週間行われています。来週はオリエンテーションがあり、再来週から授業も開始です。同級生も続々と到着しており、まずは学生同士で集まってのパーティがはじまりました。INSEADは“Party School”とも言われています。理由は庭つきの家がたくさんあるからそこでBBQができるとか、フォンテンブローは他に楽しいことがないからとか言われていますが、やはりINSEADの同級生と集まるととても楽しいことが一番ではないでしょうか。同級生と話をしているとあっという間に時間が過ぎていきます。

先週の土曜日はフォンテンブローにいる日本人同級生で集まりました。同級生、パートナー、子供やINSEADに興味があるパリ在住の日本人の方など約20人が我が家に集まってお昼ごろから夕方までずっと話をしていました。うちはテーブルを並べて料理とワインを用意しておくと、他の方が料理やワインをまた持ってきてくれて、あとはずっと話をしていました。うちの子たちと同い年のお子さんも来てくれて子供たち同士で楽しく遊んでいます。僕は子供の面倒をみながら来てくれたみなさんと渡仏後の近況報告やこれから始まる学校の話題などで盛り上がりました。特に何の企画もなくただずっと話しているだけなのに5時間があっという間に過ぎ、もうちょっとこのまま続いてもいいのにと思うほどでした。
マッシュポテト調理中

日曜日は韓国人同級生の家に招待されて韓国料理を食べました。韓国料理は好きなので日本でも焼き肉や韓国家庭料理とよばれるお店によく行っていたのですが、またそれとは違う料理ですごくおいしかったです。そこの家の大家さんとも一緒だったのですが、大家さんの奥様はフランス人と結婚した日本人で3歳のお子さんがいます。奥様はフランス生活がもう5年ということでフランス生活の苦労話なども聞きながら、うちが困っていた病院や薬の話なども聞けたので試してみようとおもいました。子供同士は早速仲良く遊び、うちの子供たちは大家さんの奥様から“1歳からのかっぱえびせん”とかをもらって喜んで食べていました。

月曜日は週末に到着した中国人夫妻と語学学校のクラスメートの日本人が遊びに来てくれました。中国人夫妻はフランスに来る前にドイツ、スイス、イタリアを旅行していたのですが、イタリアのローマでかばんを盗まれて大変だったそうです。彼らとはINSEADに立ち寄ったときに立ち話をしたのですが、イタリアでトラブルがありフランスに来てからもちょっと困っているようだったので夜に食事にでも来てもらうことになりました。急だったので大した準備もできなかったのですが語学学校のクラスメートの日本人に手伝ってもらったりして楽しく食事ができました。

火曜日はお昼に韓国人と日本人の家族が遊びに来てくれて、僕も語学学校のお昼休みに家まで戻ってきました。夜はその韓国人家族ともう一人別の韓国人女性が来てくれました。もうその韓国人家族とはすっかり家族同士でなかよくなったのでワインを飲んでよっぱらって盛り上がっていると、はじめてきた韓国人の才媛(韓国語、英語、フランス語とスペイン語が話せるイギリスのオックスフォードとフランスのソルボンヌでの卒業生)も最初は楽しんでいたのですがびっくりしてきて、何度か “Are you sure ? “(あなたたち大丈夫?)と心配されました。彼女には変なイメージを持たれた恐れがあるので、今度はちゃんとまじめに話をしようと思います。

明日はペルー人家族と会う予定で、明後日はパリまでいくことになっています。こういう会は自分のネットワークを広げるためには重要であり、またMBAで得られるもので最も重要なのはネットワークだという人もいます。遊んでばかりいると言われると否定はしないのですが、でもこれもINSEAD留学生活の中での重要なことだと思っています。このようなイベントの度に料理を準備して支えている妻にも感謝ですね。

Fontainebleau Langues et Communication
今週はFontainebleauにある語学学校でフランス語の授業を受けます。この学校はINSEADの言語に関する卒業要件の試験を作っており、この試験にあわせた授業をやってくれます。卒業要件をクリアするために最後の追い込みです。先週の木曜日にレベル判定のテストを受けたところレベル3と今回のコースでは一番上のクラスに入れました。実は7月にフランス到着直後にこの学校のディレクターに会ってどうやってフランス語を勉強すべきかのアドバイスをもらっていたのですが、その時と比べて僕のフランス語が格段に進歩しているとディレクターに褒めてもらえました。がんばってよかったです。

今回はINSEADの授業が始まる前の集中コースで、9時から2時間の休憩を挟んで16時までの1日5時間×5日です。生徒はINSEADの同級生ばかりで、僕はペルー人、イギリス人と日本人と一緒に授業を受けています。はじめてINSEADの同級生と授業を一緒に受けて思うのは、みんな優秀で面白い人たちですね。習った表現を使ってちょっとしたロールプレイをやったときも短時間で面白い会話になり、しかも習った表現をうまく活用できています。東京やパリで受けたレッスンよりも充実していました。授業の内容も違いますが、やはり先生や生徒のモチベーション、フランス語力とはまた違う意味でのコミュニケーション能力の高さを感じました。1週間楽しくやれそうです。

シャンパンの作り方
シャンパーニュ旅行中にシャンパンの製造方法の説明を何度も受けて詳しくなりました。面白かったので紹介したいと思います。写真は我が家が宿泊させてもらったドメーヌのものです。ここでは年間約4万本生産されています。Moet et Chandonでは年間約2,500万本生産しているのでもっと規模が大きく工業化されています。

まずはぶどうです。Chardonnay、Pinot NoirとPinot Munie3つの種類のぶどうが使われています。写真は収穫1-2週前のものです。ぶどううはすべて手摘みで収穫され、傷のないきれいな状態を保つように丁寧に扱われます。
ぶどう畑

収穫されたぶどうを圧縮してジュースを作ります。圧縮はぶどうからジュースだけを搾りとるため強い圧力はかけません。Pinot Noirは皮が黒いのですが皮の成分を出さず実の部分だけを使って白いジュースだけを絞りとります。樽のようなところに一杯に入れたぶどうを足で踏んでぶどうジュースを作っている映像をみたことがありますが、シャンパーニュではあのようなことは絶対にしないそうです。またぶどうは取れた村、ぶどうの種類別に分けられて何種類ものぶどうジュースを作ります。
ぶどうの圧搾の道具

ぶどうジュースをそれぞれ別々にステンレスのたるに入れて一次発酵をします。発酵はブドウの糖分をアルコールと炭酸ガスに分解するのですが、この段階では炭酸ガスはすべて逃がしてしまうので発酵完了後のワインはいわゆる白ワインと同じ状態です。
一次発酵用のステンレス樽

たるに入ったワインです。シャンパンはぶどうの種類、収穫された村、収穫された年が異なるぶどうから取れたワインをブレンドしてベースとなる味を作ります。この樽は前年に取れたぶどうで作ったワインが入っており、今年のぶどうでワインが出来たところでこれらのワインをブレンドします。生産者が作りたいシャンパンにあわせてブレンドの割合を決められており、少ない場合で数種類、多い場合には200種類以上のワインをブレンドするそうです。シャンパンにはVintageが入っていないものが多くありますが、これは複数の年のワインをブレンドしているためです。また特別に良い年の場合にはその年に出来たぶどうだけでシャンパンを作るのでVintageが入れられます。Vintage入りの方が値段も高くなります。
ブレンド前のワイン

ブレンドされたワインを瓶に詰めて地下のカーブに保存して二次発酵を行います。この二次発酵中に出た炭酸ガスがワインの中に溶け込むことでスパークリングワインになります。
地下のカーブで二次発酵中の瓶

シャンパンを下向きにしてまわしていくと二次発酵で出来た澱がボトルの首の部分にたまって行きます。王冠を外すとこれが飛び出します。澱を取り除き減った分にリキュールやシャンパンなどを加えてます。甘口のシャンパンの場合には甘めのリキュールを入れることによって甘さを調節します。コルクをつけてキャップをかぶせ、ラベルを貼ると出来上がりす。ここはビデオで撮影したのですがうまく撮れなかったので、以下のサイトの動画を見ると手順は分かります。動画は大規模工場のもので自動化されていますが、このドメーヌでは同じことを手作業でやっています。
http://blog.livedoor.jp/cigarbar/archives/721875.html

出来上がったものを買ってきました。短いものでも3年、長いものでは6-7はかけてシャンパンは作られます。
シャンパンの出来上がり


電気代
Avonの家に入居して一か月がたったところで先日はEDFというフランスの電力会社がメーターを調べに来て、数日後には請求書が届きました。うちはキッチンやシャワーの給湯も全て電気を使っているので電気代は結構かかるだろうなと覚悟していたのですが思ったより安かったです。1kwhの単価も日本だと15-20円ぐらいのようですが、こちらの請求書をみると0.04-0.08ユーロ(約7-13円程度)と日本よりだいぶ安いようです。

調べてみると僕の契約している電力会社はEDFというフランス最大の電力会社で、国営企業だったのが最近民営化されたようです。またEDFは発電量の15%程度をイタリア、イギリス、スイスに輸出するなど外国にも進出しており、電力自由化の進む他国の電力会社の株式を積極的に買収することでヨーロッパ各国をはじめ中国・ベトナム・アメリカや南米・アフリカなどの電力会社を傘下に置くグローバル企業となっているようです。電力事業を他国の企業にコントロールされるのはどの国にとっても好ましくないことですが、特にEUは電力自由化政策がとられていることもあって国をまたがっての競争が行われておりEDFも他国の電力市場で大きな位置を占めているようです。EDFはフランスの20箇所以上で60基近い原子炉を保持しており、電力の85%を原子力でまかなっているため原油高の影響を受けずに電力を提供できることも強みになっているようです。

フランス国内もこの7月からは電力事業が完全自由化されてうちもEDF以外の電力事業者から電気を買うことができるようになりました。しかしもともとEDFの電気料金が安いことと、一度EDF以外の電力事業者と契約するとEDFと再契約をすることが出来ないと言われていることもあってEDFから乗り換える人は少ないようです。フランスとしてはEUの方針や電力自由化の流れに沿ってフランス国内の電力事業も自由化しましたが、EDFが価格面や設備面で圧倒的な競争力を持った状態であれば他国の企業に市場を取られる心配はほとんどないでしょう。この競争力の背景の一つには原子力の持つ技術の力とチェルノブイリなどの原発事故があっても原子力を推進したフランスの戦略とフランス人の意志があると思います。原子力のような高度で複雑な技術の評価は今の時点でするのは難しいと思いますが、ここまでのところ原子力を見事に活用しているフランス人はちょっと尊敬します。

料理学校
パリにある料理教室に行ってきました。場所はパリの8区で観光地やオフィス街も近い中心部です。今回は1回限りのコースで、1時間で作ってそのあとで食べて帰るというものです。行ってみるとガラス張りの部屋の中にキッチンがあり、先生の説明を受けて受講生が料理をするという日本でもよくあるスタイルです。5人で1チームを作って料理をしましたが、受講者には近くで働いているフランス人、バカンス中のフランス人や観光で来ていた日本人と一緒でした。フランスではお昼休みは2時間のところが多く、1時間で作ってそのあと食べて帰るとちょうどよいということで昼休みに料理教室に来るサラリーマンもいるようです。ガラスの向こうに父・娘・息子を残し、娘からの“ママがんばれー”という声援を受けながら母が調理台へと向かっていきました。
料理中

先生が野菜の切り方を説明してくれるのですが、すべてフランス語でチンプンカンプン。でもまずは葱のみじん切りをやれと言っているのはジェスチャーとお手本で分かりました。先生も生徒も英語が少しは出来るのであとでフォローしてくれました。家にあるフランスの包丁は全然切れないのでみじん切りは無理かと思っていましたが、料理教室の包丁はよく切れるのと使い方も日本と少し違います。でも素早くきれいなみじん切りが出来たのでこれがフランス流かと感動。次にやったのは鶏肉をさばくのですが、これはやったことがなくて手こずっていると最後は先生がやってくれました。“日本では全部処理してあるからこんなことは家ではやらない”ととなりのフランス人女性に言うと、“フランスもそうよ。私は鶏肉を食べるのは好きだけど、生の鶏肉には触りたくない”と言って結局自分ではやりませんでした。その他にデザート用に桃を切ったり、下ごしらえした素材に火を通してといったことをチームメンバーとも協力してやっていくとあっという間に1時間がたち無事に二品とも出来上がりました。
Coquelet grillé huile d'olive citron et fleur de thym, pomme écrasée

Coquelet grillé huile d'olive citron et fleur de thym, pomme écrasée (若鶏のオリーブオイルと香草のグリル、マッシュポテト添え)

出来たところで家族4人で試食。おいしいです。思ったより簡単にできてこれなら家でも作れそう。調味料がちょっと多すぎる気がしますが、家で作る時にはそこは自分たち好みに加減可能です。自宅でも早速作ってみましたが、なかなかおいしく出来ました。もう何度か作ってみれば得意料理の一つになりそうです。せっかくフランスにいるのでちゃんとしたフランス料理もちょっとは作れるようになりたいと思っていましたが今回で一つ出来るようになりました。

フランス(シャンパーニュ)旅行
シャンパンが好きなのでChampagneに行ってきました。そもそもシャンパンとはフランス北部にあるChampagne地方でつくられたスパークリングワインのことで、フランスではVin de Champagne(シャンパーニュのワイン)として売られています。フランスの他の地域や他国でもスパークリングワインは作られていますが、これとVin de Champagneは別物であり、Vin de Champagneを名乗るには法的なさまざまな厳しい規制があります。また近所のスーパーではボルドーやブルゴーニュのワインは5ユーロ程度のものもあるのですが、Champagneは10ユーロ以下のものはなくフランスでも特別なワインとして扱われている印象があります。

Champagneの中心になるReims(ランス)は我が家からは車で約2時間です。まずはランスにある世界遺産のノートルダム大聖堂を見ました。ここは歴代のフランス王が載冠式をおこなった場所であり、ジャンヌダルクがシャルル7世にハッパをかけて連れてきて王にしたところでもあります。とにかく大きく、ゴシック建築の特徴がちりばめられています。シャガールのステンドグラス、ジャンヌダルクの像などとにかく盛りだくさんのカテドラルでした。
ランスの大聖堂外観

シャガールのステンドグラス

そのあとは早速ワイナリー回りです。今回の旅行では大きく分けて2種類のワイナリーを訪れました。まずは自社の畑の他社の畑からぶどうを買い付けて自社ブランドを醸造・販売するNM(ネゴシアン・マニピュラン)です。まずはその中でもPIPER-HEIDSIECKに行きました。ここはディズニーランドのアトラクションのようなカートに乗って地下のカーブをまわり、シャンパンの製造方法やその歴史を学び最後に試飲です。このカートに子供たちは大興奮で長時間の見学も退屈せずにいてくれました。試飲の場所も高級レストランのサロンのような場所でとてもおしゃれです。PIPER-HEIDSIECKは少し前に小さな瓶に入ったシャンパンをストローで飲むスタイルを提案していましたが、シャンパンを飲むシチュエーションまで含めてトータルでシャンパンを楽しもうというスタンスを感じました。
PIPER-HEIDSIECKの見学カート

PIPER-HEIDSIECKの試飲サロン

次に行ったのはMoet et Chandonです。ここはLVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ)というシャンパン、コニャック、洋服、アクセサリー、時計などのあらゆる分野のフランスの高級ブランドを集めたような企業のM(Moet)の部分に該当するところです。日本でもMoet et Chandonは最も有名なシャンパンでしょうし、シャンパンを発明したDom Perignon(ドンペリニョン)僧侶の銅像があるので挨拶しておこうかと思っていきました。ナポレオンの時代に建てられた迎賓館などの建物や庭などを見て、ドンペリニョンやナポレオンが歩いたというカーブを歩きながらシャンパンの製法やMoet et Chandonの歴史を聞いていると美術館か博物館に来たかのように感じます。シャンパンの製法がとても手間がかかるのに加えて年数も3-7年はかけていることを知るとシャンパンが高い理由もちょっと分かりました。
Dom Perignonの銅像

Moet et Chandonの試飲場

またもう一つPommeryも行ってみました。ここは地下のカーブがすごく大きいことが特徴で、このスペースを活かして巨大なオブジェなどが置いてありしました。ここまで来るとシャンパンの製造方法の説明は聞きあきていたのですが、地下のカーブのあちこちに芸術作品がおいてあるので美術館をまわっているようで楽しめました。
PommeryのCaveにあった銅像

PommeyのCaveにあった現代アート

ワイナリー巡りの途中で日本人家族に会いました。パリで働いている息子さんのところに遊びに来られたそうです。息子さんはINSEAD進学を考えはじめていてその前日にご家族でも話し合われていたそうです。運命的なタイミングなので今度我が家でやるパーティに来ていただいてゆっくりお話しすることになりました。こういう出会いがあるのが海外にいて面白いところですね。

このあとで予約していたホテルに行きました。正確に言うとホテルではなくChambre dHotsというフランス版の民宿のようなところで、シャンペンを作っている農家が経営しています。隣りで農家の人が生活し、シャンパンの製造所もあり、一階はオフィスの上の2,3階部分がホテルなので親戚の農家に泊めてもらったような感じでした。暖炉つきのリビング、ダイニング、キッチンに加えてベッドルームとバスルームが2つずつあって朝食付きで一泊69ユーロと家族4人ともとても気に入りました。娘は“二階建ベットはみたことあるけど、二階建ホテルの部屋ははじめてだよ”と喜んでここに住んでINSEADに通ったらとも言い出しましたがやはり遠いですね。
暖炉付きのリビング・ダイニング

キッチン

この宿のように家族で経営している小さなワイナリーでは、自分たちの畑で収穫したぶどうの多くをMoet et Chandonのような大手メーカーに売る一方で、一部のぶどうは自分たちで醸造してシャンパンを生産しています。生産量も少なく家族だけではマーケティングなどにも手が回らないのでほとんどが知り合いに売っているようで、フランス国内の酒屋にも出回っていないそうです。このような生産者はRM(レコルタン マニピュラン)と呼ばれており、小規模だけに生産量は少ないもののNMにはない個性的なシャンパンを手ごろな価格で販売していると言われています。うちがとまったところは5代続いたシャンパン農家の家系で、3年前にのれん分けして今は夫婦でシャンパンを作っているそうです。このオーナー自らがワインの圧搾、一次発酵のたる、ブレンディングの様子、二次発酵させる地下のカーブ、ボトルから澱を取り出す様子などを実際の道具やものを使いながら実演してくれるのでこれが一番分かりやすかったです。また途中の段階のシャンパンも飲ませてくれて、ぶどうだけで出来たシャンパンも味会うことができました。(これは市販されていない貴重なものだと思います。)最後に出来上がったシャンパンはすごくおいしかった上に、値段は大手メーカーの約半分と手頃だったのでまとめて買ってしまいました。
製造方法を説明してくれるオーナー

ブルゴーニュとシャンパーニュのワイナリーをまわってみて生産者のキャラクターも違うなと思いました。二つを比較するとブルゴーニュは生産現場の強い製造業と似た印象を持ちました。ワイナリー見学でもブルゴーニュでは畑や作業場を見て地下のカーブをまわって立ち飲みで試飲したら地上に上がってきて散らかったオフィスで気に入ったワインを買うというパターンで、説明してくれる姿が作業着を着たおじさんが製品に対する愛情を熱心に語ってくれる姿とダブりました。それに対してシャンパーニュはマーケティングに力を入れているコンシューマー向け製品を製造している企業のショールームに行った感じでした。シャンパーニュでは迎賓館のような建物で製造方法のビデオをみたあとで、きれいに着飾ったガイドさんに案内されながら絵や彫刻・ナポレオンにまつわるものなどが飾られたカーブをみてまわります。試飲でもおしゃれな部屋に通されて、フルートグラスに入ったシャンパンをゆったりと飲みます。またポスターやグッズもたくさん作っており、Moet et ChandonやVeuve Clicquotのものは日本でもよく見かけると思います。シャンパンが飲まれるシチュエーションを演出することでより特別な飲み物にしていく努力をしていることが分かりました。我が家でもいいシャンパンを開けられるような幸せなことがたくさんあるとうれしいなと思いました。

*RM(レコルタン マニピュラン)については以下のブログの説明が面白いと思います。
http://blogs.yahoo.co.jp/jaqson729/40772631.html



信号無視
サッカーの日本代表の監督だったフランス人のトルシエ氏は日本代表のサッカー選手のことを“自分で判断してプレーしない”と批判するときに、“日本人は車が来ないときでも赤信号では道を渡らない。フランス人は自分で判断して渡る”というようなことを言っていたと何かの雑誌で読みました。それを聞いてから信号を無視して道を渡るときに、“判断力をつける”ことにつながると自分自身に理由をつけていました。

そんな信号無視の本場(?)であるフランスに来たので、信号を渡るフランス人の様子をよく観察しています。特にパリでは車がちょっと途切れるとどんどん道を渡って行く人がいます。僕には怖くてついていけないタイミングでも行ってしまいます。さらに何度も見ていると危ないタイミングで歩行者が渡っているときには信号無視をした歩行者にクラクションを鳴らすでもなく車のほうが止まって待っています。僕が信号のない横断歩道を渡ろうとする素振りを見せても日本だと車はどんどん通って行きますがこちらでは多くのドライバーが止まって道を歩行者に渡らせてくれることも考えると歩行者がかなり優先されるようです。また子供が道を渡るタイミングを指導している親の様子を見ると、車が来ているかをよく見るように言っておりあまり信号のことは言っていません。車が来ていないか止まってくれれば渡るし、危ない時でも車のほうが譲ってくれることが多いのがフランスの信号無視の背景にあるのではと思います。フランス人の信号無視の背景には、日本とは違う歩行者と自動車の関係があり、トルシエ元監督が言うような単純な判断力の話ではないように思います。

そんなことを妻と話していて、信号や交通ルールだけでなくまわりの車や歩行車の動きもよく見て車も運転せねばと思っていたところで、車を運転中の信号無視で警察に注意されてしまいました。場所はパリのサンジェルマンデプレの交差点で、うちは信号には気づいていなかったのですがどうやら赤信号を無視したようです。次の信号待ちで止まっているととなりに警察の車が来て何やらフランス語で怒っています。内容は分かりませんがやばい雰囲気でとりあえず“Je ne parle pas francais.”(フランス語はしゃべれません。)と言ったところ“Vous parlez francais!!”(フランス語しゃべっているだろ!!)とさらに怒りを買ったようでさっきよりも強い口調で怒られています。でも本当に分らなかったので“Je ne comprends pas”(分かりません)と言うと、そこからは英語で“赤信号を無視したから罰金払えよ“と言われ、警察の車の助手席に乗っている人が何かをずっとメモしていました。車で信号無視すると厳しいなとか、罰金いくらかなとか、運転にも慣れてきて調子に乗っていたかなとか、でもこういう罰金を払うのはフランスの生活になじんでいくために必要な経費だよなとかいろいろ思って暗い気持ちになりながらも励ましあって帰りました。しかしその後2週間経ちますが警察からは何も連絡は来ません。やっぱり信号はそんなに気にすることないのかなとも思います。でも事故はしないようには気をつけます。

P.S. 先日うちに遊びに来てくれた韓国人同級生はフランスに到着後1週間でスピード違反と駐車違反をやってしまったそうです。“韓国みたいに運転したらつかまっちゃいました”と笑っていました。こういう愉快なクラスメートは大歓迎です。

日本食
こちらに来てからの食事は純粋なフランス料理でも伝統的な和食でもなくそれぞれを何となくミックスしたような“我が家料理withフランスの食材”と言ったほうがよいものを食べていて、我が家はこれで満足していました。8月になってINSEADの同級生も続々とフランスに到着しており、そのうちの韓国人家族がうちに遊びに来てくれることになりました。そこで“日本食は大好きです”と言われてしまい日本食を作ることになりました。日本人として外国人に日本料理として紹介できるような料理をフランスで作ったかを考えてみるとあまり作っていないことに気付きました。そこで数日前からマルシェで食材を眺めて考えたり、インターネットで調べたり、知人に聞いてフランスの食材で作れて外国人にも喜ばれる和食を考えていました。その結果は以下のようなメニューになりました。

・インゲンの胡麻和え
・イカの煮物
・まぐろの刺身
・まぐろの照り焼き
・天ぷら(なす、しいたけ、ズッキーニ、コーンとアスパラのかきあげ)
・味噌汁(じゃがいも、玉ねぎ、いんげん)
・ごはん

うちに来てくれた韓国人は日本語が流暢でびっくり。聞いてみると外交官の息子で小学校・高校のころに日本に住んでいたことが判明。(しかもうちが住んでいたところの近所!)スリランカにも住んでいたそうで、韓国語に加えて英語と日本語が出来るのでINSEADのLanguage Requirementはクリアしています。(うらやましい)サムスン→マッキンゼーを経ての留学なので韓国でもきっとエリートなのでしょう。気を遣って“INSEAD卒業後にマッキンゼーに来て下さいよ”と誘ってくれましたが、僕が“でもマッキンゼーは入れてくれないでしょ”というと“そんなことはないですよ”と慰められました。うちの息子と1カ月違いの娘さんも連れてきてくれたのでうちの子2人とあわせて子供3人で遊んでくれたので親は結構落ち着いて食事をしながら話ができました。日本にも住んだことがある人ということで料理がどう評価をされるか心配でしたが喜んでたくさん食べてくれました。子供も喜んでくれたのでなおよかったです。

その後はINSEADのKids roomに行くと、そこにはインド人の家族がいました。INSEADのMBA取得後にPhDコースに行っているので既に3年住んでおり、あと1年フォンテンブローにいるそうです。インド人の兄妹(8歳の兄と4歳の妹)は娘と同じ音楽学校に通っていることが分かり、娘も同級生に会うことができました。インド人の妹の方ははじめはすねてはしっこで小さくなっていましたが子供たちが楽しそうに遊んでいると途中からは加わってくれました。インド人のお兄さんはピアノをやっているそうで学校で好きな科目はと聞くと“Mathematics!”(数学!)とこちらの期待したキャラ通りの答えでした。インド人のお母さんが紙飛行機を作っていたので母が紙風船を折ってみせるとインド人親子がびっくり。折り方を教えてというので即席折り紙教室も実現しました。2時間ほど遊んでそこで韓国人の家族とは別れて、家に帰ると今度は別の日本人同級生の夫妻が来てくれました。お昼とほぼ同じメニューのものを出したのですが喜んで食べてくれて、これなら日本食としていろいろな人に食べてもらっても大丈夫そうです。お世話になったフランス人の方々に日本食を御馳走する約束をしたものの出来るかどうか心配でしたがこれならなんとかなりそうです。


ハリーポッター
7月21日に全世界的にハリーポッター最終巻が発売され、フランスの本屋さんでも英語版は当初は売り切れになるほどの人気でした。同時に「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」の映画も封切られ、フォンテーヌブローやパリでもよくポスターを見かけます。母は最終巻の英語版入手を懇願していますが、英語版を読み始めるとフランス語の勉強をしなくなると父に指摘されあえなく却下。でもハリーポッターの結末は夫婦そろって気になるところではあるので話題にしていると、4歳の娘がすかさず「ハリーポッターって?」と興味を示してきました。また電車で小学生の男の子がハリーポッターを読んでいるのを見て「わたしもハリーポッターをよみたい!」と。ためしに『ハリーポッターと賢者の石』をパリにあるブックオフの2ユーロコーナーで買い与えてみました。娘は小学校低学年向けの童話なら理解できますが、ハリーポッターは長文です。どこまで理解できるのか半信半疑ながら1ページずつ説明を加えながら読んであげると、なかなか面白いようです。すぐに虜になり、初日は「もっと続きを読んで!」とせがまれながらも「今日はここまでね」と。

翌朝からは、ことあるごとにハリーポッターの話や魔法の話で持ちきりです。”もしハグリッドが迎えにきて、わたしがホグワーツに行くことになったらパパとママはどうする?”と聞いてきます。(特にハリーの映像を映画館で見かけてからは、ハリーファンになってしまったようで、「次はハリーポッターの映画をフランス語で見る!」と意気込んでいます。)毎晩1章ずつを目安にしているのですが、日中でも自分でソファーに寝転がり分厚い本を抱えるようにして読んでいます。ふり仮名があるので、娘にも理解できるようです。

本の読み聞かせについては出国前から頭の痛いところでした。どちらかと言うとインドア遊びが好きで、特に本が大好きな娘は図書館や本屋が大好きでした。どんな本を持ち込んであげるべきか、またフランスで日本語の本は購入できるのか、ひらがなやカタナカ、漢字をどんどん忘れていくのではないか・・・と悩みは尽きませんでしたが、パリにあるブックオフの存在は大変ありがたいものです。1歳の息子向けの本も既に何冊か買い与えています。

出国前は、食料品、生活用品、育児用品などどんなものが現地で調達できるのか、INSEAD先輩パートナーの方々に色々と問い合わせのメールを入れ情報を頂戴しました。限界はあるものの日本の生活をそっくりそのまま持ち込むことも可能ですが、我が家は必要最低限にとどめることにしました。現地調達の楽しさ、工夫しながら柔軟に生きる楽しさ、日本との違いも生活を通して娘たちに伝わるといいなぁと思う今日この頃です。

フランスの家
フランスの家を紹介したいと思います。住んで1カ月になりますがとても快適です。東京の時と比べると部屋の広さは約1.5倍になり、物が少なくなったのでさらに広々とした感じがします。壁は白で木が上手く使われていてすっきりしていておしゃれな感じも気に入っています。さらに庭がついていて日当たりもばっちりです。

庭です。天気のいい日にはこのテーブルで食事をすることもあります。子供達もよく庭で遊んでいます。
庭


リビング&ダイニングです。日当たりもよく昼間は電気をつける必要がありません。
庭から見たリビング


二階への階段です。二階はベッドルームが二つあります。今まで階段のある家に住んだことがなかったので子供たちの遊び場になっています。息子も最近は階段を降りれるようになりました。
リビングから2階への階段



バスルームです。洗濯機と洗面台とバスタブ+シャワーがあります。バスタブはそこそこ深さはあるのでゆったりと湯船につかることもできます。
バスルーム


住んでみて分かったのはフランスの家は細かいところがすぐに壊れます。入居時に言われたのが電化製品のコンセントを抜くときに壁が壊れることがあるからから壁を抑えながら抜きなさいと言われました。先週はパリから帰ってきてドアを開けようとしたらドアノブが取れてしまいドアが開けられずに家に入ることができませんでした。大家さんに言うと大家さんが道具箱を持ってうちにやってきました。ドアノブは“前に住んでいたノルウェー人が壊したんだ。ノルウェー人があんなに力が強いと思わなかった”と言いながらさっと直してしまいます。キッチンの電磁調理器も割れていたのですが、これも大家さんが新しいのを買ってきて交換してくれました。大家さんの子供のおさがりの子供用の椅子はペンキを塗りなおしてねじをしっかり締めて使えるようにしてくれました。トイレにはトイレットペーパーホルダーがないと言うと、“ああ忘れていた、探して来て今度つけるよ”と言われました。ベットも傾いていると言うと、“これはネジが取れているから今度持ってくる”といった具合に全部大家さんが直してくれるようで職人さんに頼むという発想はないようです。

フランスには築100年を超えていても中をリフォームしたり、こまめに手入れをしてあれば快適に過ごせそうな物件がたくさんあります。それはうちの大家さんのように日本の日曜大工以上のスキルと道具を持った持ち主が家に愛着を持って手入れしたいるからだと分かりました。家を買ってからも中をきれいにしたり設備を追加すれば買った時よりも高値で売れるというのも納得です。こういう仕組みはいいなと思うのですが、僕には家をちゃんとメンテナンスする自信がないのでたとえお金があってもフランスで家を持つのは無理だと思いました。

INSEADのCareer Service
今回は会社を辞めての私費留学で来ているので卒業後の仕事も探さないといけないのですが、せっかくヨーロッパに来ているのだからヨーロッパで仕事もしてみたいというのは漠然と思っています。一方で昨年の卒業生からは英語もフランス語もネイティブでなく言語面でハンデある状態で、こちらの優秀な人と競争していいポジションを勝ち取ることは難しいともアドバイスされました。確かに自分でもコンサルタントとして日本語で提供していたバリューと同じレベルのものを英語やフランス語で出来るかと言われると厳しいなと思います。とは言えヨーロッパの人のキャリアの作り方や企業はどうなっているのはか知ってみたいし、そんな中で自分にも競争力のある仕事があるかもしれないのでダメもとでもヨーロッパでの就職活動をしてみようと思います。

手始めにINSEADのキャリアサービスの担当者と会ってきました。キャリアサービスの機能としては学生にキャリアのアドバイスや企業の紹介、企業に対してもINSEADの学生を採用してくれるような働きかけなどをやっているようです。半数以上の学生がキャリアサービスを通じて卒業後の仕事を見つけており、ある学生は“MBAホルダー対象のいい仕事は全部キャリアサービスに集まっている。ここでいい仕事を見つけられなかったら他で探すのはさらに難しい。ビジネススクールで一番価値があるのはキャリアサービスだ”と言っていました。これはかなり極端な意見だと思いますが、キャリアサービスは学校にとっても学生にとっても重要な役割を担っていることは間違いないのでしょう。

担当者との話ではまず最初にこちらのバックグラウンドやINSEADに来た理由、これから何をしたいと思っているかを話しました。就職先としては業界は限定せずに考えていることと、地域としてはヨーロッパで働きたいと言いました。働きたい地域をヨーロッパと言ったのは、日本で就職するのであればキャリアサービスに頼らずに自分で動くことになりそうですが、ヨーロッパでの就職活動に関してはやり方も分からずネットワークなどの僕の弱いところがちょうどキャリアサービスの強みなのでこの点を中心に力を借りようと思っていたからです。まず最初にアドバイスされたのはSector(コンサルティング・金融など)、Function(マーケティング、経理、オペレーションなど)、Geography(ヨーロッパ、アジア、アメリカなど)の3つで自分が何を重視するのかを決めなさいと言われました。とにかくヨーロッパで働くというGeographyを優先してSectorやFunctionは妥協するのか、コンサルティングを極めるというSector重視であればFunctionとGeographyは優先度を下げるのかなどです。これは入学後にワークショップやカウンセリングをやっていく過程でみんな考えるそうで、入学前と全く違うことを目指すようになる学生も多いそうです。

またヨーロッパの企業の採用状況に関してはとても景気がよいそうです。特にイギリスがよく、フランスやドイツもよいそうです。INSEADの学生はイギリスに行く人が多いのですが、理由としては英語が使えることと労働許可が取りやすいそうです。フランスやドイツの企業から内定を取るにはフランス語やドイツ語が重要になることと、フランスやドイツでは労働許可をとるにはその企業がヨーロッパ人ではなく日本人を雇う理由を説明しないといけないそうです。総じて日本の学生がヨーロッパで働くのは簡単ではなく日本とのつながりを求めている企業などを対象にするのがよいとアドバイスされました。例えばルノーのように日産などの日本企業との連携が必要な企業などを探して、その企業に対して自分がどういう貢献が出来るかを考えなさいということでした。また日本人でヨーロッパで働いている人と会って、どういう形で働けるのかを聞いて回るようにも言われました。

フランスに来てからはっきり認識したのは僕は日本人であり、日本語ができて、日本で教育を受けて、日本で仕事をした経験があることが日本で就職する上で大きなアドバンテージになっていたということです。コンサルティングスキルや数学力などは国籍などに関係なく評価されるのですが、それでもヨーロッパ人を押しのけてヨーロッパで仕事を見つけるまでには至りません。日本人として生きてきたことをどういう形であれば強みとしてヨーロッパの人に認めてもらえるのかは考えていきたいと思います。

INSEADのキャリアサービスの全体的な印象としては日本のリクルーティング会社と比べてもじっくり付き合ってみる価値があるなと思いました。ヘッドハンターは求職者を転職させたときに売り上げが上がるパターンが多いので時間をかけずに求職者を効率よく次の会社に転職させることを目指していると感じることがありますが、学校のキャリアサービスは在学期間中をかけてじっくりキャリアに関するディスカッションをしてくれそうです。またMBAに来ているような年齢・キャリアレベルの人材を毎年数百人も動かしているわけでMBA卒業時のレベルの人材に特化したヘッドハンティング会社と考えれば有力なヘッドハンティング会社以上に力を持っていると思います。

2回目のレッスン
先週は弟の発熱のためレッスンはお休みさせていただきました。2週間ぶりのレッスンです。
今回は、母と娘だけでレッスンに向かい、父と弟はお留守番でした。ところどころ雨に降られながらの高速はちょっと怖かったですが、片道約45分の女二人旅です。

最初は基礎練習から。前回宿題を頂いていた課題をまずは披露します。
・左手の指順(0~4※)がふってある15小節の楽譜(『プチパガニーニ』 Le Detache Large Exercices より)
4/4拍子の楽譜を譜面通りに自宅で練習してきましたが、先生からの指示でリズムのバリエーションが増やされてていきます。2つずつ、3つずつ、4音ずつでスラー、付点など。新しいバリエーションまで弾きこなし、この宿題は合格。次の課題へ。
・“Etude en canon(直訳:カノンの学習)”
やはり指順を先生が楽譜にふり、初見で娘に弾かせます。「ここは3拍のばして・・・」などという指示をうけながら、分りずらいところは先生のデモを見せてもらいその場で弾いていきます。一通り弾いた段階で、「これは宿題にするから家で練習してきてね。来週先生と一緒に弾いてみようね」と。なるほどカノンの練習だけあって、楽譜は元になる旋律(主題)とそれと同形の旋律をずらした重ね合わせたような形式になっています。下の段は Le Professeur(先生)、上の段はL’eleve(生徒)で、生徒が追いかけていくような構造になっています。娘の先生は日本人ですが、実際の生徒はフランス人が多いそうです。フランス人のL’eleveはこんな方法でバイオリンの練習をしていくのかと感心しながら娘のレッスンをビデオにおさめる母です。
・Le Martele du Milieu
こちらも先ずは指順を楽譜に書きこみます。ただこちらは、「この音符はこの楽譜のこの小節にあるんだけどどれと一緒か分かる?」などと娘に同じ音符を探させながらです。娘はじっくり楽譜とにらめっこ。恐る恐る「これ・・・」と指さします。こんな具合に楽譜への指順の書き込みをおえ、こちらも宿題になりました。「全部A線だけだからね」と。
・イ短調の音階と分散和音(スズキ教本Vol2より)
こちらも前回の宿題でした。一つ一つの音程を確認しつつ弾いていきます。こちらもリズムのバリエーションが増え、その場で音階がどんどん変化していきます。イ短調の音階は合格でしたが、分散和音は、音程がやや難しい箇所があり、継続宿題。

基礎練習をたっぷり(全体の50%)した後で、課題曲。

・リュリ作曲「ガヴォット」
前回注意をうけのは①スタッカートの部分、②D線のファの音程、③ソの#とファのナチュラルが並ぶところの音程でした。全体としてとても上手になっているが③だけやや甘い時があるので継続して宿題になりました。また追加の宿題に、ベートーヴェン作曲「メヌエット ト長調」。曲の前半にでてくるハーフポジションの練習のところを先生にデモで見せて頂き、とりあえず家で練習することになりました。先生には「何か弾きたい曲ある?」と聞かれるのですが、娘は先生の前で自分の弾きたい曲を何故か言えない様子です。

最後にソルフェージュ。

前回までにドレミファソラまでを習いました。宿題と定着具合のチェック。そして新たにシドが加わり、また新たな宿題を出してもらいました。

レッスン後の娘の感想⇒「レッスンが長いけど、次々に色々なことを教えてもらえるから楽しい」だそうです。
日本でのレッスンが30分程度だったので確かに倍の時間になっていますが、30分では短すぎるというのが親の感想でした。1時間のレッスンに今後もついていけるのかは今はよく分かりませんが、万一娘がSOSサインを送ってきたときにはすかさずフォローしていきたいと思っています。
明日からの自宅でのお稽古もがんばっていきましょう!

※0=開放弦(指で抑えずに弾く音)、1=人差し指、2=中指、3=薬指、4=小指


フランス(ブルゴーニュ)旅行
語学学校も1週間はお休みなのでフランス国内を旅行しようかと考えているところで、大家さんに相談してみました。モンサンミッシェルはどうかと聞いたところ、この時期は観光客が多すぎて5,6km手前から歩かないといけないからやめたほうが良いと言われました。ではどこが良いかといろいろ聞いているとブルゴーニュならいいんじゃないとのことになり、ブルゴーニュに行くことになりました。

ブルゴーニュとワインの話で盛り上がったところじゃあ飲みながら話そうということになり、大家さんの庭にあるテーブルで大人はワインを飲み、子供たち(10歳&3歳フランス人兄弟、4歳&1歳日本人姉弟)はというとゴルフスクールに通う大家さん宅の長男の手解きを受けながら芝生でゴルフに興じていました。ワインの話を聞いているとフランスで良いワインを見つけるにはやはり独自のコネクションが必要なようです。以前はAppellation d'Origine Controlee (原産地呼称統制)がついているものはよいワインだったが、今はAOCも増えすぎて良くないワインにもつけられるようになってしまい分らない。また値段が高ければよいというものでもなく、AOCではなく別の基準をつけようという話もでているそうです。またボルドーは少数の比較的規模の大きいワイナリーが主流なのでよいワイナリーを覚えておけばそのワイナリーのワインが手に入りやすいそうですが、ブルゴーニュは小規模なワイナリーが1000以上あるのでどれがよいのか分からずたとえ見つけたとしても生産量が少ないので買うのも困難だそうです。そこで中小企業の経営者でワイン好きフランス人である大家さんにブルゴーニュのワイナリーを紹介してもらいました。地図を渡されその場でワイナリーに電話までしてもらいました。「来週日本人の僕の友達が行くから良いワインを飲ませてやってほしい」と。早速行き先決定です。

さらに大家さんからはワイナリーに行く前にSemur-en-Auxoisという街に寄って行くとよいと言われました。フォンテンブローにあるお城など18世紀から19世紀初頭(ナポレオン1-3世の頃)がメインなのに対して、ブルゴーニュは14世紀から15世紀に最も栄えたそうです。当時のブルゴーニュ公国は現在のオランダやベルギーのあった地域まで領地を広げていたそうです。Semur-en-Auxoisにはこの時代の様子がよく残っているのでぜひ行った方がよいとのことでした。Semur-en-Auxoisの街の中心には中世の街並みがそのまま残り、そこで生活がされていました。特に12世紀にたてられて13-14世紀に修復された教会は、大きさも彫像も含めた美しさには圧倒されました。中世の騎士もここを通っていたんだろうなと思うとともに中世のブルゴーニュ公国の強さを感じることができました。
Semur-en-Auxoisの教会の前


中世の雰囲気も感じたところであとはワイン三昧です。まずはBeaune(ボーヌ)のMarche aux vins(ワイン市場)に行って、12世紀から使われている地下のカーブ(ワイン倉庫)を見て17種類のワインの試飲です。Chablis, Aloxe-Corton, Vosne-Romanee、Pommardなどのブルゴーニュを代表する各地域の村名ワインを順番に飲むとブルゴーニュワインが“ワインの王様”であり、“力強さと優雅な風味がある”と言われるのもちょっと分かりました。(簡単に言えばおいしかったってことです。)
Marche aux vinsの地下カーブのワイン樽


初日はここまででホテルに行きました。前日の夜にフランス語で電話して予約したのでちゃんと部屋があるか心配でした。チェックインをするとスペルが違っていますが僕のものらしき名前があります。何度もアルファベットを伝えた結果がこれか…とちょっと悲しくなりました。さらに宿泊人数を見ると4人のはずが3人になっており、子供が1人減っています。下の子の年が1歳というのは通じていましたが、4歳の娘の存在は忘れられていました。ホテルの到着時間もこちらは16時と言ったつもりでしたが予約は17時になっていました。結局ちゃんと合っていたのはチェックインとチェックアウトの日付だけでしたが部屋は確保。フランス語力はまだまだのようです。

二日目はワイナリー巡りです。まずは有名なChateau Clos de Vougetに行きました。ここにはワインを造るための道具やワイン祭りの時の写真などがありまあ面白かったです。ここまでは地球の歩き方にも載っている有名なところをまわってきて、ブルゴーニュの雰囲気は分かったのですが何となく物足りなさもありました。次に大家さんに紹介されたワイナリーに行ってみました。メインの通りではなく、細い道を入って行って小さな看板を見つけました。入って行くとおばさんが一人出てきてくれて、フォンテンブローから来た日本人で大家さんの名前を出すと途端によく来たねと迎えて、作っているワインを約10種類試させてくれました。それぞれのワインの語るときには“XXXのような香り”と言った評論家のような表現ではなく、“この年はとても暑くてブドウの量はとれなかったけど味は凝縮されていておいしい”と言った生産者ならではの解説を聞くことができました。何か芸術家が自分の作品を語る時に似た雰囲気も感じました。自分が作ったワインに対する思い入れを感じることができて、この思いがこめられたワインはそれぞれに個性的でおいしく何本も買ってしまいました。お礼に娘がバイオリンを弾くことになりパガニーニの“妖精の踊り”を弾いたところ、大喜びして娘の生まれ年の2002年のワインをプレゼントされました。娘もワインのカーブで弾いたのははじめてでそれもいい経験でした。
ワイナリーのおばさんと娘


そのあとはもう一つ紹介されたワイナリーに行きました。これはgoisot(ゴワソ)というワイナリーで、日本でも高く評価されているようです。場所はAuxerre/Chablisの近くの小さな村で、カーナビでも見つからなかった小さな通りにありました。行ってみるとおばさんが一人いて、地下のカーブに案内されて8種類ほど試飲しました。白ワインが有名な地域なこともあって特に白ワインのほうに自信があるようで、試飲でもまずは赤ワインを飲んでそれから白ワインを飲みました。どれも香りがよくて素晴らしいワインでしたが白ワインのほうがやはりよくてまた何本も買ってしまいました。ブルゴーニュにはAligoteというワインがありこれはカシスと混ぜてKir(キール)という食前酒にされることでも知られていますが、Goisotの人には“うちのAligoteはKirにするのはもったいないからそのまま飲んでほしい”と言われました。これも納得の味でした。ここで一緒に試飲をしていた人たちの中に、フランス人で妊婦さんがいました。妻が話しかけてみると妊娠4か月だそうで、そんなときにワインを飲んでいいの?と聞くと“Un petit peu”だからと言い訳しています。でも“フランス人のun petit peuは、日本人にしたらかなりの量だと思う”と言うと大笑いして、“私の身体はワインになじんでいるから大丈夫”とまた妙な言い訳とともにたくさん買い込んで帰って行きました。
Goisot試飲中


もう一つワイナリーを紹介されていましたが時間がなくなり残念ながら帰ってきました。ブルゴーニュの印象としては観光名所はブルゴーニュの雰囲気をつかむのにはすごくよいのですが、そこよりも小さくて個性の強いワインの造り手に興味を持ちました。これらのワイナリーは観光ツアーが行くこともなくひっそりと静かで、またそこで働いている人もどのように売るかのマーケティングよりもどうやっていいものを作るかに関心がある人でした。大家さんの紹介があったので今回はよくしてもらえましたが、ふらっと立ち寄っても冷たくされそうな雰囲気もありました。ブルゴーニュは足しげく通って関係を深めていかないといけない場所だなと思いました。

PSここまでであまり書きませんでしたがブルゴーニュの食事はとてもおいしかったです。特に赤ワインとあわせるとおいしい料理ばかりでした。前菜は牛肉のカルパッチョやテリーヌ、メインにはこれも牛肉のステーキかBoeuf Bourguignon(ブッフ・ブルギニヨンという牛肉の煮込み料理)と肉ばかりの食事を二日間も続けると野菜と魚がたべたくなりました。

SOS Medecin
今週末は天気もよく、INSEADの同期になる日本人ご夫妻がうちに遊びに来て下さったり、お城のコンサートやバルビゾンの美術館へも出かけて楽しく過ごせました。そんな中ひとつ予期せぬイベントがありました。土曜日の午後から息子の機嫌が悪くおかしいなと思っていたところで、夜になってお風呂に入れるために服を脱がせると発疹があります。症状としては3か月前に娘がかかった水疱瘡とよく似ています。息子は水疱瘡の予防接種を受けることができていなかったので、フランスで水疱瘡のような伝染病にかかったとしたらこれは大変だからすぐにお医者さんに診てもらおうとなりました。

土曜日の夜8時には普通に開業している医者はないのですが、調べたところフランスにはSOS Medecinという仕組みがあり24時間体制でお医者さんが往診してくれるようです。さっそく妻が電話して“Do you speack English?”と聞くと電話を切られました。フランスに来てから何度も経験していますが救急医療でこれをやられると焦りました。仕方なくフランス語で挑戦です。まずは”Vous parlez anglais?“(英語できますか?)とフランスで聞くとあっさり”Non“(いいえできません)と返事されそのあとで”こちらは医療関係の電話番号だけど間違って電話していない?“かと言っているようです。こっちは必死なのにいたずら電話や間違い電話と思われるとは心外です。そこから何とか巻き返して、”子供が一人いて、水疱瘡の症状が出ている“と伝えると分かってくれました。名前と住所を聞かれたのですが住所をきちんと発音できず10回ぐらい言い直してなんとか通じました。1時間ぐらいで往診に来てくれるそうで待つことにしました。

1時間10分ほどで先生が到着です。先生は英語が出来たので一安心。これまでの病状と過去の病歴と今飲んでいる薬を説明して診察をしてもらうと、水疱瘡ではなく先日処方された薬が原因だからすぐに止めるようにと指示されました。息子が飲むのを嫌がり飲むたびに吐いていたのを無理やり押さえつけて飲ませていたのを反省しました。ただまずいから薬を吐いていたわけでなく体が受け付けていなかったのかもしれません。お医者さんは今度は発疹を治すための薬を8日間飲むようにと言って処方箋を書いて帰って行きました。診察料は先日のお医者さんの倍以上の70ユーロでした。土曜日の夜に往診してもらったのだから仕方ないのかもしれません。

この薬をすぐに飲みなさいと言って処方箋を渡されたものの薬局は当然しまっているのでどうするのかと聞くと、まずは警察に行けと言われたのでフォンテンブローの警察に行きました。警察の受け付けの人に話すとその場で薬局に電話して、“処方箋を持った外人が行くからお店を開けておいて”と言っています。そこで指示された薬局に行くとお店の人がドアを開けて待っていてくれました。薬は約10ユーロで普通の値段で買えました。家に帰ってみると息子は既に寝ていたのでわざわざ起こして飲ませなくてもよいかと思って飲ませるのはやめました。翌朝には元気そうで、お医者さんにも普通に生活して良いと言われていたので午前中は家でおとなしくして午後から少しだけでかけました。

それにしてもフランスの薬ってどうなのでしょうか。日本では息子も薬はいろいろ飲みましたがこのような問題は出たことがなく、さらに薬で問題が出たから別の薬を飲ませるってのもどうなのかと。医療の専門家ではないのでよく分かりませんが、なんとなく不信感が残ります。日本の医療関係の知り合いに聞いてみようと思います。

追記:フランスの夜間医療には公立病院の救急科に行く手もあったようですが、ここは無料なため医療費の払えない人たちが救急でもないのに行っているそうです。かなり待たされる上に医療の質も低いそうで利用は勧めないと言われました。
わが家の薬コレクションです。どこまで増えるでしょうか。



Boulangerie
きょうは以前にも書いたBoulangerie Niccolleを写真付きで紹介したいと思います。毎日朝と夕方に通っていると顔を覚えてもらえたので道で会うとあいさつをして天気はどうだとか話をしています。パンを買いに行くと“子供の分ね”と言っておまけでパンをくれたり、店の片づけをしているときに通りがかったら“バゲット持っていく?”と声をかけられて一本もらってしまいました。日本でも近所のお店の人と仲良くなっていろいろ教えてもらいましたが、フランスでも同じように付き合ってもらえるお店が出来ていくのはうれしいことです。

Gateauです。日本でいうケーキでしょうか。BoulangerieだけでなくPatisserieでもあるのでGateauが売っています。いつも10種類以上はあるので目移りしながらも毎日1つか2つずつ食べて一通り全部食べたかなと思っていると翌日には見たことのないのが出てきたりとバリエーションは豊富です。チョコレートやクリーム系のものは甘めなので一つ食べるのはきつくなるのですが、Tarte Tatin(リンゴのタルト)やTarte Citron(レモンのタルト)などの酸味のきいたタイプは気に入っています。
Gateau(ケーキ)


パンです。定番のバゲットは10本も買う人もいてお店では毎日数百本焼いているようです。うちは毎朝6時30分ごろに行って2本買っています。
Pain(パン)


Viennoiserieです。Croissannt(クロワッサン), Pan au chocolat(チョコパン), Chousson au pomme(アップルパイ)などが有名です。今日は種類も多く、Pain au Raisin(ぶどうパン)やカヌレなどもありました。おやつにはGateauではなく甘いViennoiserieを買うことも多いです。これも一通り食べたところでは娘はPan au chocolat、息子はPain au Raisin、父はChousson au citronが気に入っています。
Viennoiserie



パリの語学学校終了
フランス語学校も3週目で僕にとっては最終週になります。ここの学校は2週間を一つの単位として動いているようで、3週目になって僕ももともとのクラスメートともにレベルが一つ上のクラスになりました。あわせて他のクラスから来た人や今週から入学した人とともに半分以上新しいメンバーでやっています。相変わらず日本人は一人だけで、ポーラント、ドイツ×2、チェコ、スコットランド、イタリア×2、アゼルバイジャン、タイ、中国、フィリピン、インドネシア、韓国、台湾、アメリカ、メキシコ、ブラジル、ベネズエラから来ていて国籍の多様性はすごいです。新しく来たメンバーと話しているとヨーロッパの人はパリにあこがれていて、ただの観光ではなく語学もちょっと勉強しようかなと思って夏休みに来た人が多いです。フランス語を学ぶ目的は面白そうだからといったところで、これまでに学校で半年ぐらいやったけどまだあまり使えないしせっかくだからもうちょっと勉強しようというところのようです。ヨーロッパの人はこういうノリでいろいろな国に行って言葉を身につけていくんだなとうらやましかったです。

クラスメートの一人にヘッドハンティング会社で働いている人がいました。話をしてみるとヨーロッパで優秀な人はヨーロッパ内のいろいろな国で働いているそうです。その場合には母国語+英語+もう一つヨーロッパの言語をしゃべれると有利であり、実際に3ヶ国語以上しゃべれる人はたくさんいるそうです。3つ目の言語として特に有力なのはフランス語、ドイツ語、スペイン語のようですが、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、スウェーデン語、ロシア語などもよいとのことでした。語学学校にも既に3カ国語が出来る上に4つ目の言語としてフランス語を学んでいる人もいますし、INSEADの同級生でも既に3カ国語話せるので語学に関する卒業要件をクリアしている人が多いのにはこういう背景があるのでしょう。日本人の感覚では日本語と英語が出来ればいいほうで、INSEADがもう一ヶ国語を要求するのは無茶なことを言っているような気がしましたがヨーロッパのビジネスパーソンであれば当然のことのようです。

今週になって以前にも書いたタイ人の令嬢は帰国しましたが別のタイ人がクラスにいます。彼はタイにあるトップクラスの学校でMBAを取得し、今はHECというフランスでもトップクラスの学校のPhDコースの学生です。去年から来ているのすが、学校ではすべて英語だったので全くフランス語はできず、生活に苦労したので夏休みの間にフランス語を勉強しようと思ってきているそうです。“ヨーロッパで仕事をするにはフランス語をやっておくと価値があるようだが、自分は卒業後はタイに戻るつもりなのでその時にはフランス語はほとんど意味がない。中国語のほうが役立つんだけどね”と言っていました。確かにアジアでのキャリアを考えるのであれば、母国語+英語+中国語かなと思います。フランス語はタヒチなどでは話されていますが、アジアにおけるビジネスでの実用性は中国語には敵わないでしょう。とは言え彼は今の生活に困っているんだし、フランスに何年もいてフランス語が出来ずに帰国することになったらさみしくないかと聞いてみると、“まあそうなんだけどね・・・”という感じでした。学費や生活費はすべてHECなどのフランスの組織から出ているそうで、タイでの収入ではとてもこちらに留学できないと言っていました。INSEADのクラスメートにもタイ人は少ないのですが、タイでの収入レベルでは留学費用を準備するのがとても難しいことが大きな理由になっているようです。

と言ったことを話しているうちに3週目のコースを終えました。3週間一緒に勉強した仲間とは別れを惜しみつつもまた会おうねと連絡先を交換しました。3週間の成果としては先生の指示が理解できるようなったので与えられた課題はほぼ確実にできるようになりました。それとテレビを見ているときに短いフレーズなら聞き取れるようになり、数字で金額を言われても分かるようになったのでちゃんとフランス語が分かっている人のようにスムーズに買い物ができます。(限られたフレーズしか言わないのでその場で話が盛り上がることはありません。)あとは習ったフレーズを使ってホテルに予約の問い合わせのメールをフランス語で書けました。来週は一週間フランス国内を旅行する予定でして、ホテルの空き状況や値段を問い合わせています。Accorホテルグループに属しているようなホテルであればネットで予約できるのですが、日本でいう民宿のようなところはフランス語で問い合わせないと返事がきません。地方に行くと英語が通じないことが多いのでフランス語を使わないといけないことが増えそうですがこれもいいチャンスと思って楽しんでこようと思います。


サルコジ大統領
日本では参議院選挙が行われて大きな話題になっていたようですが、残念ながら我が家は今回は投票できませんでした。これまで選挙は欠かさず行っていたのですが、今回は投票日の直前に日本を出国しフランスの在留届も間に合いませんでした。参議院選挙の結果はフランスでも大きく取り上げられており、フランスのテレビでも安倍首相が苦しそうな表情で話している様子を見ることができました。フランスの新聞の論調としてはこれからの政局運営は厳しくなって改革が遅れるのではということと近いうちに政権が変わるかもといったことが書かれていました。(フランス語で読んでのことなので理解が不十分かもしれません。)

2か月前にフランスでは大統領選挙が行われてニコラ・サルコジ氏が大統領に就任しました。サルコジ氏のことは僕がフランスのVISAを申請するときにいろいろ調べたときに、自分自身も移民の子供でありながら内務大臣のときに移民や外国人に厳しい政策を導入した人ということで知りました。サルコジ法と呼ばれている法律もあり、この法律によって日本人にとってもフランスの滞在許可を取るのがより厳しくなりました。(僕は幸いにもすんなりいきましたがフランスで苦労している日本人もいます。)外国人嫌いでこわもてのイメージがあり日本人の間ではあまり人気のなかったサルコジ大統領もフランス人では人気があるようです。外交や内政などで様々なところを訪れている様子がテレビ・雑誌・新聞などのあらゆるメディアで取り上げられており彼の顔を毎日見ています。ある雑誌の表紙ではサルコジ大統領の写真ともに“Moi, Moi, Moi!!”(私が、私が、私が!!)と書かれていましたが彼は全て自分でやりたがるタイプで独善的とも言われていますが、これが今のところは好意的に見られており公約も次々に実現したことが人気につながっているようです。また野党の社会党の重鎮ながら党トップになれなかった3人の政治家を大臣として引き抜くことで“全国民の政府”をアピールするとともに政敵の弱体化も実現したことはただ強引なだけではなくバイタリティーと巧妙さを併せ持っていると評価されているようです。

サルコジ大統領の政策や政治的に支援するかどうかはここではふれないのですが、彼の強気でトップダウン型で改革を進めていくリーダーシップスタイルは個人的には好きです。サルコジ大統領のホームページを辞書をひきながら読んだのですが、主張が明確で分かりやすいし大統領就任演説もすごくかっこよかったです。スローガンとして掲げているEnsemble tout devient possible(みんなで力をあわせれば可能になる)も彼のメッセージを端的に表わしていていいですね。これから様々な問題に取り組んでいくのでしょうがぜひがんばって欲しいと思っています。コンサルタントとしてはクライアントにこういうリーダーがいれば応援したいですし、自分もこういうリーダーシップを身につけられたらと思うところがたくさんあります。


余談ですがサルコジ大統領の“Ensemble tout devient possible”を揶揄した以下のようなポスターをフランスのブログで見つけました。Ensemble(力をあわせる)とTout(みんなで)の間に小さい字で“貧乏人、外国人、所得補償受給者、左派、左翼、社会主義者、CDI(?)、ホモセクシャル、短期雇用者、障害者、エイズウィルス保持者、教育・文化省、フリージャーナリスト、黒人、アラブ人と俺の女に手を出すやつを除いた”と書いてあります。あくまでこれは偽物ですし、揶揄して作られていますがサルコジ大統領の本音はこうなのではと思ってしまいます。
偽物のサルコジ大統領のポスター


お医者さんデビュー
予定ではきょうは娘の二回目のバイオリンのレッスンだったのですが、息子が熱を出してしまい先生のところまで行くのは無理と判断してお休みにして、代わりに病院に行ってきました。フォンテンブローには英語の通じるお医者さんが何人かおり、その中で勧められた先生の所に行ってきました。事前に予約した時間に行ったのですが40分ほど待たされました。日本のお医者さんに書いてもらった診断書や予防接種の履歴などを渡して最近の症状を英語で話したあとで、胸の音や鼻・のど・耳などを見てもらったところ重症ではないがウィルスを殺すために抗生物質を8日間飲むように言われました。症状や薬の飲み方を質問すると丁寧に分かりやすく説明してくれるので信頼できそうな印象でした。日本での常備薬もフランスで手に入るか心配だったのですがあるということだったのでこれも安心しました。約15分の診察で診察代は30ユーロで、処方箋を書いてもらって薬局で買った薬は約20ユーロで、あわせると50ユーロでした。日本よりも医療費は高めの印象です。

フランスに来る前に日本のお医者さんからはフランスは薬信仰が強いと言われていました。歴史的にまわりの陸続きの国から様々な病気が入ってきてそれに対して薬を開発して使ってきたことが背景にあるそうです。最近の日本では薬は使わずに済むなら使わないほうがよいという意識が強いですがこちらの先生からは迷いなく抗生物質を8日間飲むように指示されました。また頓服薬も日本では熱がかなり高くてつらそうだったら使ってもいいけど使わない方がよいと言われることが多かったのですが、熱が高ければ使いなさいと言われました。薬局で買った薬は瓶に粉が入っているだけでした。説明書を読むと瓶の中に水を入れて溶かして飲むようです。飲む量は体重によって決められ、スポイトに書かれた体重別に設定された目盛のところまで瓶から薬を吸い取って飲ませます。味は最初は甘いバナナのような味ですが、苦い後味が残るので子供も飲みにくいようです。またアイスノンや熱さまシートがないか聞いてみたのですが、薬局やスーパーに行ってもそれらしきものはありません。大家さんにどういうものかを説明したところなかなか伝わらずようやく理解してもらえたところ、“そういう便利なものがあるといいわね”といった雰囲気でした。品質や使い方が異なっても日本で使っていたものはフランスでも手に入れられたのですが熱さまシートはこちらにないようです。早く誰か輸出すればいいのにと思います。

娘は元気ですがバイオリンのレッスンもなくなり外出もできないのでフラストレーションもたまっていたようで父&娘で映画を見に行くことにしました。見に行ったのはRATATUILLEです。(邦題は“レミーのおいしいレストラン“ですがフランスではラタトゥイユです。)日本にいる娘の友達が日本でこの映画を見て面白かったよとメールをくれたので娘も見に行きたいと言っていました。フランス語が分らないので絵だけを見ていると意地悪な表情の人やネズミのレミーを捕まえようとするシーンなどでは怖いと言って抱きついたきました。しかしあらすじは横で日本語で説明し、この映画はフランスのレストランでの話でエッフェル塔やセーヌ川などの最近見たパリの様子が出てきて喜んでいたりと全体的には楽しかったようです。

家に帰ると母がラタトゥイユを作ってくれていたので食べようと言ったのですが、娘には見た目が全然違うから食べないと言われてしまいました。レミーは高級料理のようにラタトゥイユを作っていましたがこちらでは代表的な家庭料理で日本だと肉じゃがのような位置づけかと僕は思っています。こちらで見るラタトゥイユはズッキーニやナスなどの野菜をくたくたに煮込んだ料理で、スーパーの総菜売り場でも100グラム1ユーロ程度で売られています。娘と食べるか食べないかでもめているうちに息子もちょっと元気が出てきたのかラタトゥイユもたくさん食べてくれたのでちょっと安心しました。母のラタトゥイユと薬が効いて早く治ってくれることを祈りながら今日は寝ます。
我が家のラタトゥイユ(見た目はレミー作と違いますがおいしかったです。)


無賃乗車
パリの語学学校には電車を二回乗り換えて通っています。パリを走っている電車にはパリ市内を細かい網目のように網羅したMetro、パリの中心部とシャルルドゴール空港などのパリのちょっと郊外を結ぶRERとパリと他の都市とを結ぶSNCFがあります。SNCFには日本の新幹線にあたるTGVがフランスの都市を結び、その間にある街はローカル線で行きます。僕がフォンテンブローから語学学校まで行くにはSNCFのローカル線でパリのリヨン駅まで行き、そこからMetroの2路線を使っています。

MetroやRERは日本の地下鉄などと同様に自動改札に切符を入れてプラットフォームの方に入っていって電車に乗ります。(ただし降りるときに切符をみられることはありません。)SNCFでは自動改札はなく乗る前に切符を買って切符に切れ目と切符の裏に印刷の状態の悪い数字を刻印する機械に自分で差し込んでから電車に乗ります。TGVなどの長距離の路線では電車の中で切符をチェックされますが、フォンテンブローに行くような路線ではどこでもチェックされないのです。僕はパリまでは定期券や回数券で通っていますが無賃乗車をしても誰もきづかないのではと思ったわけです。もし車掌さんが来たとしても数字も読み取れないだろうから別の日に刻印を入れた切符を見せればいいのではとも思いました。

電車でフォンテンブローとパリを往復して3週目ですが、一度だけ電車の中で車掌に切符をチェックされました。その週はパリに行く回数も少なそうなために回数券を使っていたので僕の手元には数枚の使用済み切符がありました。まずはその前日に刻印を入れた切符を出してみたところ切符の裏を見てこれは違うと言われました。次々と切符を渡しますが裏を見て違うと言いつづけます。最後に電車に乗る直前に刻印を入れた切符を渡すと、これでOKと言っていました。ちゃんと見れるんだと感心していたところで、僕の後ろの席に座っていたおばあさんが切符をもっていなかったようで怒られ始めました。何やら苦しい言い訳をしているのは雰囲気で分かります。別の車両からも車掌が来て3人がかりできつい口調でおばあさんを怒っています。おばあさんは身分証明書を出し、車掌はそれをメモして解放されました。

あとで聞くととんでもない罰金(正規運賃の100倍?)が払わされることやそもそもきちんと払うべきだと考えている人も多いらしいなどの理由で現地の人は無賃乗車するようなことはしないと言っていました。100人近く乗っていたあの車両でもあのおばさん以外はみんな切符を持っていたことから考えると、数%の乗客が無賃乗車をしたとしても改札の人件費や自動改札機の設置・運用費用と比較すると低コストで運営できるのかもしれません。これを踏まえて考えると改札もなく無賃乗車し放題でいい加減に見える仕組みも一つのシステムとして成立しているようです。




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