フランスMBA&音楽留学体験記
コンサルタント歴9年の父はINSEADのMBA、バイオリン歴2年の娘(4歳)は音楽学校で学ぶべく2007年7月から約1年間フランスに行きます。一緒に渡仏する母と1歳の息子の4人でのフランス留学体験を書いていきます。


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就職活動の成果
50社以上に応募して苦労した就職活動ですが最後は日本に戻ってきてからいくつかの会社をまわり、結局のところは留学前の会社のニューヨークオフィスに行くことになりました。しばらく東京で働きながら準備を進めて年明けに渡米の予定です。

今回の就職活動ではまずはヨーロッパでの就職を目指してINSEADに集まる求人情報を分析してアプローチしましたがこれは狙ったような結果を出すことは出来ませんでした。理由としては企業側がMBAの学生に求める力が僕には不足していたことだと思います。年齢的なものあるのでしょうが、特に大きかったのは英語でのコミュニケーション力不足です。例えばロンドンの企業に応募した時にはイギリス人やアメリカ人・カナダ人のクラスメートと英語でのコミュニケーション力を比べられるとどうしてもかなわないですし、僕は能力不足と評価されたと思います。

途中からは日本企業やグローバル企業の東京支社に応募するととくにコミュニケーション面での状況は変わります。面接でも英語だと相手の言ったことを聞いて質問に答えるのに精一杯ですが、日本語だとこちらが状況をコントロールできることがあります。自分がいかに日本語や日本の文化に守られていたのかを実感しました。

ただ残念ながら昔からある日本企業ではMBAの採用には消極的な企業が多かったです。応募しても“事務職の採用はしていません”と回答をもらうことが多くありました。日本企業も外部から人材を採用するように変わって来たと言われてもいますが、まだまだ米系企業とは差は大きいですし僕にとっては有利な状況になるほど変わってはいませんでした。

それでもなんとかいくつかの会社と話が進み、内定をもらうことも出来ました。でもそうなった時にそれらの会社で与えられる仕事、具体的にはMBA卒1年生の仕事をやっていくことに”これって今の自分がやりたい仕事なのだろうか?”と疑問も感じました。

そこで自分を採用してくれる企業を探すのはいったん忘れて、自分がやりたい仕事を考えてみました。まず自分がやりたいことは経営に近い仕事でした。それもコンサルタントとしてプロジェクトベースで経営者のために働くのではなく、自分が経営するか経営者の右腕に近いところで仕事ができる環境がいいと思いました。そうなるとエスタブリッシュされた大企業ではMBAを取ったばかりの人間にそんなことは任せてくれないので対象外です。自分がかかわったことのない業界でもいきなりそんなポジションにつかせてくれることは難しいから対象外です。僕はIT系のコンサルティングをやっていた時期が長いので小さなコンサルティング会社やコンサルティング部門を作りたい・強化したいIT企業が主なターゲットになります。ここであれば自分がその事業でリーダーシップを発揮できる可能性が出てきます。

次に自分がやりたいテーマを考える必要があります。これがないと事業内容が過去にやっていたことをちょっとしょぼくしたものになってしまうので、他とは違っていてかつ自分が強みとしたいものを考える必要があります。そこで考えたテーマは企業のグローバル化です。企業のグローバル化もこれまでは本拠地を拠点にして外国に進出するハブ&スポークスのような形が多かったのですが、今はより多極化したマルチポラーシステムを取る企業が出てきています。あるヨーロッパのIT企業は本社はヨーロッパにありますが、新技術開発はシシコンバレー、その他のシステム開発はインド、マーケティングはニューヨークへと移しています。これからの企業は国籍に関係なく最も適した地域でそこでのリソースを活用していく必要があり、これを実現するための仕事をやりたいと思いました。これは特に日本企業が遅れている部分でもあるのでやりがいがありそうです。

そこでコンサルティングであれば自分の経験もあるので、この思いをコンサルティングメニューにしてどうやって顧客を獲得していくかも考えてビジネスプランにまとめました。事業会社に持っていく時にはそれようにまとめなおしました。INSEAD卒業式の前後に作っていたので旅行をしながらもなんだか半分ぐらいは仕事をしている感じでした。これを持って会社を回ってみると様々な反応があります。”それはうちの会社でやるのは難しい”と言われたり、”それもいいがまずは普通にMBA卒1年目のことをやって欲しいなぁ”というようなことを暗に言われたりとか。そんな中で一番真面目に話を聞いてくれたのが僕が留学前に働いていた会社でした。

僕のプランの実現可能性がないかを複数の役員で見て検証しおもしろそうだと評価してもらえました。また今は東京オフィスと海外オフィスとの連携強化が課題になっておりこの流れに乗って僕のニューヨークオフィス勤務の機会ももらえることになりました。僕としては自分自身がよりグローバルに通用する人材になる必要があるとも思っているのでこのニューヨーク行きは大歓迎でした。

企業が準備してあるポジションの中から探すアプローチをとっているときにはうまくいかなかったのが、自分のやりたいことをはっきりさせてからそれが出来る環境を探すようにしてからようやくうまく行きました。苦労しましたが何とか自分がやりがいを感じられる仕事を見つけることが出来てよかったです。

今後は東京に引っ越しをして家族の生活環境を整えて9月1日から仕事をはじめ、準備整えば年明けに渡米の予定です。仕事も決まりこれで留学もようやく終えて新生活に入れるめどが立ちました。ということでこの留学ブログもお終いにしようと思います。これまでお付き合いいただきどうもありがとうございました。


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INSEADで学んだ成果
”MBAに留学して何を得られるのか?”というのはMBA受験前や留学の前から常に考え続けたテーマでした。留学を終えたわけですがスーパーマンになれたわけでもなく、本当に何が得られたのかや価値があるのは何だったのか自分でもまだ分からない部分もあります。

実はINSEADに合格直後で入学前にキャンパスビジットをして授業を見学したことがありました。その時に思ったのは授業でやっている内容が思ったより簡単だということでした。留学前に9年間仕事をしていたのでビジネスのフレームワークや知識としては知っている内容が多いし、ここで授業を1年間受けたとしてもそれだけで特別なスキルを身につけられるわけではないなと思いました。

この印象は留学後も変わりません。コアの科目で扱う内容はグロービスなどが出版しているMBA本でほぼカバーされています。エレクティブになるとより専門的な内容も出てきますが、実際のコンサルティングプロジェクトではさらに踏み込んだレベルで議論をしています。もちろん短期間に体系的に知識をまとめるという意味では価値がありましたが、これだけではわざわざ留学する価値はないのではと思いました。

それで結局何が価値があったのかと考えるともっと抽象的なものになります。例えばグローバル感覚を磨けたとか。INSEADのクラスメートは世界各国から来ていてそれぞれの国が違うということが実感できました。世界には違う文化をもった国がたくさんあることとそこから来た自分とは異なるバックグラウンドの人と一緒にチームを組む練習ができたのは良い経験でした。それと僕にとっては海外に住むのははじめてでありフランス語も学んでフランスに住めたのは、これから自分が海外に出るときのよい練習であり、外国から日本に来ている人のこともより理解できるようになったと思います。

それと自分が経営者になれるかもしれないし、なってみたいという思いが強くなりました。ビジネススクールはビジネスリーダー、経営者になるための学校です。その教育を受け、経営者を目指す人たちと一緒に過ごし、実際に経営者になったアルムナイの話を聞くと自分にも出来るはずと思うようになりました。自分で会社を作ったり会社を買収したりということが不可能ではないと思いましたし、チャンスがあればぜひやってやろうと思いました。こういう可能性を見つけることができたのは留学前には考えてもいなかったことでした。

INSEADの1年間を終えてみてこれが将来にどう役立つのかはまだ分かりませんし、自分が何をしていくのかによって得られたものの価値も変わってきます。それでもやっぱり強烈な体験だったわけで、これが何かにつながるはずと信じてがんばっていきます。



卒業式
きょうはINSEADの卒業式でした。Dean(校長)や偉いゲストのスピーチの後で卒業生が一人ずつ壇上にあがって卒業証書を受け取りました。これで僕も無事に卒業できて、晴れてINSEADのMBAホルダーです!

ここまでこれたのは家族、友人や先生など多くの方のおかげです。この場を借りてみなさん、どうもありがとうございました!

P1,P2のグループメイトと




レッドオーシャンな人生
ブルーオーシャン戦略の話をしている中でチャン・キム教授には”ブルーオーシャン戦略は個人のキャリアにも適用できる。そして君たちはレッドオーシャンなキャリアを送ってきたレッドオーシャンな学生だ”と言われました。確かにその通りでINSEADの学生の多くはよい大学を卒業し、よい企業で優れた実績を残して将来有望と言われ、地域社会でもボランティアなどで貢献しよい人と言われてさらに国際経験も豊富な人ばかりです。それはINSEADがそういう学生を集めているからで、僕も受験の時はこういう人に見えるように努力しました。(実際はそんなに立派でないので見せ方にかなり工夫が必要でした。)INSEADにいる学生は他の優秀な人たちよりも優秀だと評価されたから入学出来たわけで、これはレッドオーシャンで競争に勝ち抜いたということです。

となると次は自分にとってのブルーオーシャンを見つけることが大事です。そしてそこに向けて変化していくことが大事だと言われました。INSEADに来てたくさんの刺激を受けたことで変化しているはずでこれをストラテジーキャンバスで表現してみなさいと。いろいろな要素がちょっとずつ増えているのであれば大した変化はしていないということであり、新しい要素が加わりこれまでは大事にしていたものを捨てていれば変化しているということでそれがないと面白くないと思いました。

やってみるとなかなか難しいです。いろいろ学んだこともあって強くなった部分は思いつくのですが、別人のように変化したかと言われると分りません。チャン・キム教授に言われて以来自分にとってのブルーオーシャンを探し続ける日々です。



誤解されているブルーオーシャン戦略
ブルーオーシャン戦略の本当の価値に気付くのは結構大変です。日本ではどうなのかなと思って調べてみましたが、だいたいは本のサマリーをしているだけで本質的な価値まで踏み込んだものはほとんどないようです。やはり簡単には理解されないのだと思いました。

そんな中ですばらしいと思うのはハーバードビジネスレビューの編集長でこれはさすがと言うしかありません。
http://dhbr.hontsuna.net/article/1899809.html
http://dhbr.hontsuna.net/article/1897830.html
http://dhbr.hontsuna.net/article/1781349.html
http://dhbr.hontsuna.net/article/1778848.html






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